こんな風に思ってるの、自分だけ??

オッサンの独り言。よしなしごと。

憲法改正議論に関して

憲法改正の議論が盛んになされていますが、まあいろいろと考えさせられます。

 

まずは外堀に関する疑問的なこと。

 

そもそも今回の議論、与党に戻った自民党が中心になっていると思いますが、自民党長期政権時代にはなぜこういう議論が全く出てこなかったのでしょう。立党の頃から、「現行憲法の自主的改正...」を党の使命として挙げているのは知ってますが、だったらなぜもっとずっと昔にやらなかったのかと思うわけです。

 

さらにいやらしいのは、今回の議論ポイントは憲法内容そのものではなく、憲法改正のプロセスに関する改正であること。もう、根本から完全にズレてません?憲法が変えにくい!これは問題だ!って、そんなこと問題になってましたっけ?それが本当に党の使命として一番最初にやることなんですかね?なにかもっと変えたいことがあるなら正々堂々とやればいいじゃないですか。

 

私が学校で勉強した頃は、日本国憲法は「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の三大要素を持つ画期的で素晴らしい憲法として学んだような気がします。今の学校ではどのように教えらているのでしょうね。素直な子供は「素晴らしい憲法」なのに、なんで変えなくちゃいけないの?と思っているのではないかなぁ、なんて思ったわけです。

 

また、「日本国憲法は押し付けられた憲法だ。」という論法は、韓国の人たちが日本に植民地化された被害者だ、と言っている構造とあんまり変わらないんじゃないかなぁと思ってます。誰から押し付けられたとか、誰から与えられたとか、そういう感情的な部分は排除して、現行憲法の内容がどうなのか、についてフォーカスするべきではないかと思います。昔付き合っていた彼からもらったダイヤモンドを捨てるか捨てないかって話。実はガラス玉だったなら別に捨ててもいいですけど、超高級ダイヤモンドだったらそのまま持ってたほうがいいと思うんですよね(笑)。

 

さて、そして、核心の内容。

 

ぶっちゃけた話、どこ変えたいんですかね。やっぱり9条?あとは、行き過ぎた基本的人権の制限?はたまた天皇制でしょうか。

 

まず第9条に関して、私個人は、現状で自分が戦争に行くことはないであろうという想定の上で、日本自身の自衛のために軍を持つことには、概念的には反対はしません。しかし、軍人以外の民間人が徴兵されるようなことになった場合に真っ先に徴兵されるような年齢であったり、自分に子供がいたとしたら、たぶん反対するでしょう。自分勝手、と思われるかもしれませんが、それが事実です。おそらく国会議員もほとんどの人がそう考えていることでしょう。

 

太平洋戦争での悲劇を繰り返すな、というのはその通りですが、だから軍を持つな、というのは極論過ぎると思います。経済力から考えても持つことは当然可能ですし、むしろこういう経済規模の国が軍を持たずにアメリカにその防衛の一端を担ってもらっているというのは、バランスがおかしな話です。正直、軍というのはいろいろな意味で大変便利な代物です。事実現在も自然災害などの際に自衛隊は活躍しますし、雇用対策、経済の活性化などにも重宝です。

 

問題なのは軍をどうコントロールするかであると思います。要は、包丁を使わせると怪我をするかもしれないから、といって、子供に包丁をいつまでも使わせない親になってはいけないのではないか、ということですね。大切なのは、包丁の正しい使い方や保管方法をきちんと学ぶことなのではないかと。

 

基本的人権の制限は本当に危険だと思います。何かと「公益と公の秩序」というのを自民党草案で言ってますが、こんな抽象的な言葉はどうとでもとれますよね。公益のためには個人の自由が制限されるって、そんな危険な話ってあります?どっちかというと、第9条とこれがセットになって来るからこそ、恐ろしさを感じます。

 

大切なことは、いつも別のことに目を向けている間の混乱のうちに起こったりする、というか、わざと混乱を起こして、大切なことをやりとげる、ということを常に頭の片隅に置いておかないといけないですな。