こんな風に思ってるの、自分だけ??

オッサンの独り言。よしなしごと。

受け入れたくなくても世界はそこにいる

この記事、いろんなところでとりあげられてますね。

 

朝日新聞デジタル:「年収100万円も仕方ない」ユニクロ柳井会長に聞く - 経済・マネー

 

ブラック企業というキーワードとともに、かなりバズってる感があります。批判の声、多数。

 

厳しい話ですが、基本的には柳井さんの意見はその通りと思います。ただ批判している人たちは、「100万円も仕方ない」というツッコミどころだけに釣られて、本質を見ていないのではないでしょうか。

 

要は、これだけグローバルした世界の中では、人と差別化できる能力がなければ、人より高い給料を得るのは難しい、それは国内だけではなく、世界的に起こる問題、ということではないかと。別にユニクロで働いている人たちの賃金を100万円にする、といっているわけではないと捉えました。というか、この人の性格からして、こういう論争が起きるような言い方になっているのは、当然ではないかと。彼の言ったこと一言一言をとらえるのではなく、全体の問題としてとらえたほうが、きっと意味があると思うのです。

 

事実、ユニクロの賃金は低い、であるとか、辞める人多数、といった問題は別問題です。それはユニクロの企業体質の問題として、責められても仕方のない話です。

 

話戻って、柳井さんが提起した、賃金の話。冷静に考えれば、このような時代がやってくることは容易に想像ができたはずです。電気製品、車産業で日本がアメリカから安い労働力と高い技術でその地位を奪い取ったように、韓国や中国が背後に迫ってきているということ。グローバル企業では労働力の安い地域を追うように次々に生産拠点を移動させていくこと。みんなが知っていたことのはずです。

 

そう、みんな知っていたはずなのに、じゃあ日本はどこへ行くのか、行くべきなのか、なんて話は一切議論されてこなかった。アメリカというよいお手本が目の前にいたにも関わらず、です。ただ、その時点でアメリカの経済はよい状態ではなかったので、よいお手本というか、日本が行き着く先(経済が悪化する)という結果が目の前にあっただけで、目を背けたかったというのも分からないではないですけれども。

 

そもそも年収100万円のなにが悪いんだ?という話もあります。経済発展がよいことである、ということ自体が必ずしも正しいとは限りません。お金をたくさん稼いで、奇麗な服をきて、豪華な食事をすることが幸せという人もいれば、仕事で時間を割くよりも、本を読んだり、一日中森の中で昼寝をするほうが幸せ、という人もいるでしょう。

 

日頃から職業に貴賤はない、と私は強く思っているのですが、ひとりひとり価値観というものは違うということを共通認識として持ち、お互いの持つ価値観を尊重しあえる社会を作ることがまず必要なのではないかと。

 

こういうことを言うと、きれいごとだ、って言われるんですけど、きれいごとのどこが悪いのか?ぜひ意見を聞いてみたいところです。